monbus

こだわりのヴィンテージウォッチ

2022.04.02

いよいよ4月。
今日のあたたかさが嘘のように、昨日の朝はカーテンを開けると一面の銀世界でした。

季節の変わり目は、四季の変化を感じることができる貴重な瞬間に立ち会えます。
お店の前に植えた葡萄の樹も水を吸い上げ出し、家の庭には”ふきのとう”が顔を出していました。

わが家では”天ぷらとふきみそ”に。
”旬のものを味わう”。贅沢で豊かな時間ですね。

今日は、そんな”豊かな時を刻む”ヴィンテージウォッチが入荷したのでご紹介させていただきます。

調べれば調べるほどに奥が深く、自分が欲しくなってくる沼にはまってしまいました。。
ちょっとうんちくが長くなってしまいましたが、ご覧下さい!!

TUDOR(チュードル)

1920年代にロレックスの創始者ハンス・ウィルスドルフ氏によって創業。
イギリスでの市場拡大を目的として作られた、ロレックスの姉妹ブランドです。
当時はケースやリューズなど共通で使われているパーツも多くありました。
ブランド名は、かつてイングランドとアイルランドに王国を築いたチューダー家から命名し、チューダー家の紋章であるバラをアレンジしたロゴに。
このロゴはその後、大きい薔薇を”デカバラ”、小さい薔薇を”コバラ”と呼ばれるようになり、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
1970年代頃からは盾ロゴに変更されています。

さて今回入荷したモデルは、60年代のオイスタープリンス。
リューズにはロレックスのクラウンマーク。
裏蓋には「ORIGINAL OYSTER CASE BY ROLEX GENEVA」の刻印、そして自動巻き式。
ロレックス三大発明のうち2つが搭載されています。
オリジナル文字盤の表情は、”美しい”の一言。
私自身も欲しくなる逸品です。

ZENITH(ゼニス)

時計職人のジョルジュ・ファーブル=ジャコにより1865年に創業された、スイスの老舗高級時計ブランド。
創業地のル・ロックルは2009年に世界遺産登録された、スイス時計産業の聖地としても有名な場所です。
国内外の博覧会や天文台コンクールなどで受賞を重ね、1900年のパリ万博では技術だけでなく美観においても革新的であるとして懐中時計用ムーブメント「ゼニス」が金賞を受賞し、ブランド名にもなっています。
1910年には、ミュシャやラリックといった当時のアールヌーボーを代表する巨匠たちとコラボレーションし、芸術と産業を融合させた独創的で斬新な懐中時計やミニチュアクロックを数多く発表しています。
時計業界の中でも早くから自社一貫生産の哲学を貫き、歴史に残る傑作ともいわれる一体型自動巻きクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」を1969年に発表したことで、世界的に有名なブランドへ。
そのムーブメントは、同じく自社一貫生産の哲学を貫いていたロレックスのデイトナに搭載されていた時期もあります。
あのガンジーが、友人のインド首相ジャワハルラール・ネルーから贈られた懐中時計もゼニスです。

そんな心惹かれるブランドストーリーを持つゼニス。
今回はなんと珍しいレディースサイズです!
70年代手巻き式、美しいカリグラフィーで描かれたアラビアフォント、まさかのニューオールドストック。
なかなかお目にかかれない、本当におすすめの1本です。

IWC(アイダブリューシー)

1868年、アメリカ ボストン出身の時計師フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズがスイスの工業都市シャフハウゼンにて開いた時計工場から始まったブランド。
当時のスイスでは時計職人が小さな工房で作業するスタイルが当たり前でしが、彼は職人たちが集まって作業できる工場を設立し水力発電を利用、アメリカの近代的な工業技術を持ち込みました。
スイス発祥のブランドですが創業した土地がドイツに近いためか、華やかさよりも無駄を削ぎ落とし機能性を重視したドイツ時計の洗練された印象を受けます。

今回ご紹介する60年代のIWCには、クオーツ以前の機械式腕時計全盛時代にIWCが作った”唯一の女性用自動巻きムーブメント”C442”が搭載されています。
小さく作り上げたにもかかわらず、内部パーツに使われているルビーは2つ多くなり、さらに高性能を極めたIWCの逸品です。

ピンク色のパーツは全てルビー(別の時計の内部です)

なぜルビーが時計のパーツに使われているのかと言うと、
機械式時計の歯車は、ものすごく激しく動いており接触部分に摩擦が生まれ、すり減ることで正確さを失い精度が落ちてしまいます。そこで原因となるすり減りを軽減させるために、動きが激しいパーツを受ける部分には硬く滑らかなルビーが使われています。
腕時計のスペックで23石や25石と記載されていますが、人工ルビーや人工サファイヤの数を表しています。

SEIKO(セイコー)

最後はこちら、日本が世界に誇るセイコーより、”クイーンセイコー”の登場です。
そしてこちらはなんと、東京亀戸生産のファーストモデルです。

1881年、セイコーは服部時計店として創業してから140年以上もの歴史を刻み続ける日本の時計ブランド。
1960年から70年代には日本の高度経済成長ととも名を広め日本を代表する時計メーカーとなりました。
1969年に世界初のクオーツ腕時計を発売したことでも有名です。

今回ご紹介するクイーンセイコーは、当時のキングセイコーの婦人モデルとして発売された高級ライン。
実物を見ることができる機会はほとんどないのではないでしょうか。

62か63年製の手巻き式、23石、ケースは14金ホワイトゴールド貼り、裏蓋には王冠のメダリオン。
最高級文字盤を表す星マークが入っているので、おそらくインデックスは14金無垢。
風防のカットガラスが美しさと高級感を漂わせます。
日本の時計史に刻まれる貴重な国産の名機を、ぜひ腕元に。

いかがだったでしょうか。
ブランドヒストリーはもちろん、人間が作り出した”腕時計”という発明は本当に興味深いですね。
愛着の湧く、こだわりの1本が見つかりますように。

yaguchi


 

 






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